染谷 隆夫

略歴

学歴

1992年 東京大学工学部電気工学科卒業

1994年 東京大学大学院工学系研究科電子工学専攻修士課程修了

1997年 東京大学大学院工学系研究科電子工学専攻博士課程修了

資格

1997年 博士(工学)(東京大学)

専門

半導体工学・電子デバイス

職歴

1997年 東京大学生産技術研究所助手

1998年 東京大学生産技術研究所講師

2000年 東京大学先端科学技術研究センター講師

2001年 日本学術振興会海外特別研究員(コロンビア大学)

2002年 東京大学先端科学技術研究センター助教授

2003年 東京大学大学院工学系研究科助教授

2007年 東京大学大学院工学系研究科准教授

2009年 東京大学大学院工学系研究科教授

2009年 プリンストン大学 Global Scholar

2015年 理化学研究所主任研究員(現職)

2015年 理化学研究所創発物性科学研究センターチームリーダー(現職)

2016年 シンガポール国立大学Globalfoundries Visiting Professor

2017年 ミュンヘン工科大学Hans Fischer Senior Fellow

2020年 東京大学大学院工学系研究科長・工学部長(現職)

業績・活動

 有機半導体を用いた伸縮性エレクトロニクス研究の第一人者で、世界で初めて皮膚のように伸縮自在で温度と圧力の分布が計測できる電子人工皮膚を実現した。その中で、スタートアップ2社を設立し、ウェアラブルセンサの実用化に成功している。このように、産業連携を通じた社会実装を積極的に推進している。

 工学部長として、運営の透明性、学生・若手教員・女性教員を含んだ多様な構成員との直接対話による運営、現場の自由裁量の大幅な拡大などに取り組み、今回のコロナ過の対応も行った。また、「ポストコロナ社会の未来構想」というアイディア募集を実施し、学生や若手研究者を巻き込んで、それぞれが自主的に考える素地を作った。若いエネルギーこそが変革を駆動する力である、と確信している。

目指す東大像

 東京大学の教育については、多様な価値観を持つ人と人との真剣な対話による学びを重視し、その場として、社会との絆を深め、世界に開かれた自由な大学を目指すとしている。そのために、学生・教職員の多様化、英語による対話力の強化、アントレプレナーシップの涵養に取り組むとしている。

 東京大学の研究については、大学の役割を知の人類社会への還元であるとしている。そのための取り組みとして、研究者の裁量の拡大、創造的に協調する研究組織の確立、総合的な人事制度の構築による全世代の研究者の相互刺激の促進と多様なキャリアパスの確立を挙げている。

 東京大学の運営については、法人化後の交付金と人員の削減に伴って、教職員が時間に追われて疲弊していることを課題に挙げている。これに対して、財源の多様化による経営基盤の強化で、経営や研究の自由度を高めるとしている。また、教職員の人的資源等の拡充、学内規則の現代化にも取り組む。

 東京大学の総長の役割としては、総長の対外的役割がさらに大きくなっていると指摘している。また、学内の合意形成のあり方として、組織間の自由で平等な対話、透明性と合理性に基づいた説明責任を果たすことを挙げている。