1988年 東京大学工学部船舶工学科卒業
1990年 東京大学大学院工学系研究科船舶工学専攻修士課程修了
1993年 東京大学大学院工学系研究科船舶海洋工学専攻博士課程修了
1993年 博士(工学)(東京大学)
応用マイクロ流体システム
1991年 日本学術振興会特別研究員
1993年 東京大学生産技術研究所グローブエンジニアリング(トヨタ)寄付研究部門客員助教授
1994年 東京大学生産技術研究所助教授
1995年 理化学研究所基礎科学特別研究員
1996年 理化学研究所生化学システム研究室研究員
1999年 東京大学生産技術研究所附属海中工学研究センター助教授
2003年 ヌシャテル大学マイクロテクノロジー研究所客員研究員
2006年 東京大学生産技術研究所附属マイクロメカトロニクス国際研究センター助教授
2007年 東京大学生産技術研究所附属マイクロメカトロニクス国際研究センター教授
2007年 LIMMS/CNRS-IIS(UMI2820)共同ディレクター
2010年 東京大学生産技術研究所附属マイクロナノメカトロニクス国際研究センター教授
2014年 東京大学生産技術研究所附属統合バイオメディカルシステム国際研究センター教授
2015年 東京大学生産技術研究所長
2018年 東京大学副学長
2019年 東京大学理事・副学長、EMP室長(現職)
研究において、大きく2つの新たな研究分野の立ち上げに関わっている。1つは、修士・博士、そしてトヨタによる寄付研究時代の、ケーブルなしで海中を自由に動くロボットの開発である。もう1つは、分析化学分野とMEMS(MicroElectroMechanical Systems)分野に端を発するもので、半導体微細加工技術を用いて製作する微小流路構造を用いて、様々な化学、生化学分析や細胞培養等を行う技術(マイクロフルイディクス)の研究である。この分野は、診断や創薬への応用が期待されている。これらの研究活動のために、フランスなど5ヵ国との研究の国際連携活動の活性化に努めた。
生産技術研究所長時代には、産学官民連携の推進や海外資金調達、卒業生活動の拠点づくりや工学への「デザイン」という考え方の導入を行った。また、社会連携本部長として、校友会と同窓会連合会の大同団結を推進し、国内外の卒業生ネットワークの強化を図っている。FSI基金の設立も行っている。そして産学共創担当として、TSMC、ソフトバンク、IBMとの連携に努めている。
東京大学の教育については、自ら問いを立て、必要な知見を編み合わせながら知を探求する、あるいは人類的な課題に積極的に取り組む人材の教育を目指すとしている。そのためには、不断に学び続ける意識を涵養し、様々なライフプランに応じた学習機会を整えることが必要であるとして、国内外の学術機関や産業界との強固なネットワークを構築し、連携・協働を通じた学びと社会を結び直す取り組みを促進するとしている。
東京大学の研究については、教員の有する研究者間の個人的なネットワークの活用を重視するとしている。これにより、学生や若手研究者を人的なレベルで結びつけ、教育と研究双方を巻き込んだ重層的なネットワークへの発展の支援に取り組む。そのために、海外拠点やオンラインツールを利用した国際的な連携・交流の促進に努める。
東京大学の運営については、教育研究を行う上で最も重要なものを「人」であるとして、優秀な教員・スタッフ・学生を「世界から」集めるとしている。また、知の価値の可視化による理解と支援の拡大と社会への明確な貢献という、支援と貢献の循環が不断に駆動する仕組み構築に取り組む。
東京大学の総長の役割としては、経営資源を適切に投入して組織能力を最大化し、構成員が活き活きと活動できる創造的な場となるような大学のあり方をデザインするとともに、国内外の諸機関ならびに産業界との間で信頼と信用に基づく組織的なパートナーシップを築くために「自ら行動する」こと、としている。そして、デジタルツールの活用や各レベルの構成員とのコミュニケーションの円滑化による、大学としての一体感の醸成に努める。